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un jour de pluie

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∞初夏の味覚と記憶について

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今年も南房総に住む知人から枇杷が届きました


そっと指で皮をむきながら
この初夏の味わいを愉しんでいると
子供の頃の記憶がよみがえります

それらはどれも母と幼少の頃のわたしの記憶


一つめは
母の趣味のひとつであった
" 自家製果実酒コレクション " の棚に
並べられていた枇杷酒の瓶の形


二つめは
届いた枇杷をグツグツ煮詰めて作った枇杷ジャムの味と香


そして三つめは
大きな瓶に詰められた出来立ての枇杷ジャムを
" お手伝いするー " とか言って ( たぶん )
テーブルに運ぼうとしたその瞬間に
想像以上に重たかったそれを
思いっきり床に落として大泣きしたこと



" 不幸は突然やって来る "

をこのとき初めて知ったわたしです


そして
" 今年はこれでジャムが食べられなくなってしまった "
悲しみと
" 自分のせいで母の作ったジャムを台無しにしてしまった "
罪悪感とで
とにかく泣きまくった記憶があります・・・



あ、そう言えばこんなこともありました

母と一緒に出かけたスーパーマーケットで
母がお友達とおしゃべりに花を咲かせている間に
退屈になってしまったわたし
陳列されていた糸こんにゃくの袋を見つけて
いじいじ、いじいじ、といじくっていたら
突然、ぼん ! と袋が破けて中身がにょろりと飛び出してきて

ハイ ここでまた " 大泣き、" だとか・・・


でもあの感触、子供のわたしにはたまらなく面白かったのです

( そして今でもお店でこんにゃくの類を見つけると
なんとなくヤバい、みたいな気持ちになってしまう・・・)


当然母は
ジャムでべたべたになった台所の床を何度も水拭きしたのだろうし
スーパーマーケットの店長さんには
頭を下げなければいけなかったり
糸こんにゃくのお代の支払いやなんかに
追われたことでしょうが
わたしの記憶はいつだって大泣きしたところまでで
その後の面倒なことまではちっとも記憶に残っていないのです


超迷惑な話ですが
今更ながら " ゴメンナサイね、ママ " と言うかんじです・・・


・・・
ところで何かで聞いたことがあるのだけれど
人の記憶というものは
自分にとって都合の悪いことなんかは
勝手に消去されてしまうものなのだとか・・・

ならばわたしにとって
ジャムの瓶を落としたことや
糸こんにゃくを爆発させたところまでは
都合の良い記憶としてインプットされている
ということなのか ?

これだけしっかり記憶しているのだもの
きっとそういうことなのでしょうか・・・?


そのあたりは謎ですが
ふむー
人の記憶というのは
面白いというか
不思議不思議、です


でもやっぱりね
大人になれば色々ある
ある ある いっぱいありますよね
過去の苦ーい記憶
わたしの中にいっぱい記録されています

結局は
良い記憶にしても悪い記憶にしても
その時の自分にとって強烈なものだけが
いつまでも残るということなのでしょうか



・・・
まっ
こういう結論の出ない事全般って案外好きなので
もうしばらく考えてみようと思います



・・・
とりあえず

今年の枇杷もとっても美味しいです *
by jolie28 | 2012-06-26 19:17 | délicieux
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